
最初の一口の前に
気軽な日本酒の飲み比べを用意する
一本の日本酒と清潔なグラス、落ち着いて過ごせる数分があれば十分です。特別な道具をそろえる必要はありません。
数口分だけ注ぎます。水を手元に用意し、においのないグラスを使い、強い香水や香りの強いキャンドルは避けましょう。始める前に、ラベルの飲み方の案内を読んでください。

ワイングラス
香りを探るのに役立つ酒器です。透明なので、白い紙を背景にすると色も見やすくなります。

お猪口
ゆっくり少しずつ味わうのに適した、小さな日本酒の器です。内側が白いと液体を観察しやすく、透けない器では色が見えにくくなります。

木の升
日本酒文化の素敵な一部ですが、木そのものの香りが加わることがあります。日本酒自体を比べたいときは、ガラスや香りの影響が少ない陶磁器を選びましょう。
日本酒ごとに同じグラスを使い、温度もそろえましょう。一度に変えるのは一つだけにして、違いを感じてみてください。
出典:JSS:日本酒の杯と酒器
簡単な四つのステップ
日本酒の味わい方を、一歩ずつ
正解のあるテストではなく、4つの小さな問いと考えてみましょう。
1. 日本酒を見る
白い背景にかざしてみましょう。澄んでいますか、にごっていますか。淡い色、それとも琥珀色でしょうか。見た目は加工や熟成の手がかりであり、品質の点数ではありません。
「何が見えるかな?」と問いかけてみましょう。
2. そっと香りをかぐ
グラスを近づけ、短くやさしく香りをかぎます。まずは、果物、花、穀物、熟成といった大まかな印象から始めましょう。ワイングラスなら軽く回してみてもよいですが、勢いよく回す必要はありません。
「何を思い出す香りだろう?」と考えてみましょう。
3. 少し口に含む
口の中に広げ、甘味、酸味、旨味、口当たりを感じてみましょう。飲み込んだ後に息を吐くと、グラスの香りをかいだときには分かりにくかった香りに気づくこともあります。
「どんな味で、どんな口当たりだろう?」と考えてみましょう。
4. 余韻を感じる
少し間を置きましょう。味はすっと消えますか、それとも長く続きますか。残るのは果実味、うま味、少しの苦味、温かさでしょうか。余韻が長いほどよいとは限りません。
「飲んだ後に何が残るかな?」と問いかけてみましょう。
印象を確かめたいときだけ、もう少し飲んでみましょう。特定の果物の名前が浮かばなくても、「やわらかくて旨味がある」は役立つ気づきです。
身近なものに例えてみる
日本酒によくある香りを知る
まずは香りの大きな系統から始め、身近なものが浮かんだら具体的にしてみましょう。これは連想です。梨の香りがしても、日本酒に梨が加えられているわけではありません。

香りの系統
果実
リンゴ、梨、メロン、バナナなど。
まずは「フルーティー」で大丈夫です。具体的な果物の名前は、自然に思い浮かんだときだけでかまいません。
このイラストは記憶を助けるものであり、原料の一覧ではありません。
4つの香りの系統をすべて見る
果物:リンゴ、梨、メロン、バナナ。花:木の花やバラ。米 & 穀物:炊いた米や穀類。熟成の香り:ナッツ、カラメル、ドライフルーツ。これらは手がかりであり、すべてのボトルに必ずある香りではありません。
香りが控えめなこともあります。それで構いません。冷やした日本酒を少量注ぎ、少し温度が上がってから、もう一度香りを確かめてみましょう。無理に表現を探すより、「ほのかな香り」と記録してもよいのです。
感覚を分けて捉える
味、口当たり、バランスを知る
果実のような香りがしても、味は辛口という日本酒もあります。香り、味、口当たりは、それぞれ違う側面を伝えています。
甘味 & 酸味
甘口、辛口、それともその中間に感じますか? 酸味は穏やかですか、それともいきいきしていますか? 一口の印象を一つの言葉にまとめず、両方を表してみましょう。
旨味
旨味とは、味に深みを与えるおいしさのことです。甘さや鮮やかな感覚とともに、丸みのある旨味を探してみましょう。
ボディと口当たり
重さや感触を考えてみましょう。軽やかか、しっかりしているか。絹のようか、クリーミーか。発泡していないか、穏やかな泡があるか。「辛口」と「軽い飲み口」は、異なる印象を表します。
余韻 & バランス
何が残るかを感じてから、一口全体を振り返りましょう。それぞれの感覚は心地よくまとまっていますか?難しい言葉を使うことより、自分が楽しめることが大切です。
「フルーティーでキレがある」「穏やかでシルクのよう」「うま味があり、ふくよか」。その日本酒を思い出す助けになるなら、詳しい表現を加えてみましょう。
同じ日本酒、違う体験
提供温度を選ぶ
まずは造り手のおすすめに従いましょう。これらの温度帯は探求の出発点で、すべてのボトルに当てはまる決まりではありません。
冷酒
8–15°C 46–59°F
香り高い吟醸や大吟醸では、出発点として役立つことが多い温度です。冷やしすぎると、繊細な香りを感じにくくなることがあります。
常温
15–25°C 59–77°F
少量を、冷たさが和らいできたところで味わいましょう。より冷たい状態と、香り、重み、味わいを比べます。
穏やかに温める
40–45°C 104–113°F
うま味のある純米、本醸造、生酛、山廃の一部で試すと面白い温度です。分類よりも、その一本自体が大切です。
2つの温度で比べてみる
- 同じ発泡性のない日本酒を、そろいのグラスに少量ずつ2杯注ぎます。
- 一方は冷やして味わい、もう一方は常温に近づくまで待ちましょう。
- 香り、口当たり、余韻の3つを比べてみましょう。どちらが好みですか?
瓶はラベルの指示どおりに保管してください。温度を変えるのは、試飲用の少量だけで十分です。
自宅で日本酒を温めるには?
発泡性のない日本酒を、耐熱性の徳利や適した容器に少量注ぎます。火を止めた湯に入れ、湯の高さは容器の口より下にします。調理用温度計で日本酒の温度を確認し、目標の温度になったら取り出してください。日本酒を沸騰させないようにしましょう。スパークリング日本酒は温めないでください。熱によって泡が抜けます。
出典:JSS:提供温度の目安 · JSS:温め方とスタイル
感じたことを言葉にする
役立つ日本酒テイスティングノートを書く
銘柄、飲んだ温度、使った器を書き、気づいたことをいくつか添えましょう。何が好きだったか、どう飲んだかを思い出せるメモなら、十分に役立ちます。
気づいたことを選ぶ
簡単なメモ
例:「冷やして味わい、果実のような香り、柔らかくなめらかな口当たり、短くすっきりとした余韻を感じました。」
言葉にするための補助として使ってください。グラスの中で自分が感じたものを選びましょう。このページが日本酒を評価したり、メモを保存したりすることはありません。
最後は、一番役立つ一文で締めくくりましょう。「また飲んでみたい。なぜなら…」好みを知るために、点数をつける必要はありません。
比べやすくする
自宅で気軽な日本酒テイスティングを開きましょう
対照的な2〜3本なら、無理なく比べられます。一本を2つの温度で試す方法もあります。
違いのある組み合わせを選ぶ
例えば、香り豊かな日本酒とうま味があると説明される日本酒を比べ、次ににごり酒も試してみましょう。実際の試飲メモを読んでください。分類名や地域だけで味わいが保証されるわけではありません。
最初の飲み比べはシンプルに
同じグラスを使い、少量ずつ注ぎましょう。とても強い個性の日本酒より先に、穏やかなものを味わいます。水と、ひと言メモできるものを用意しましょう。
感想を話す前に比べる
まずは人の意見に左右されずに第一印象を書き、その後に共有しましょう。表現の違いは会話のきっかけであり、解決すべき問題ではありません。
一口食べて、もう一度味わう
まず日本酒だけを味わい、なじみのある食べ物を一口食べ、もう一度飲みます。同じ日本酒が、より柔らかく、明るく、あるいは旨味豊かに感じられますか? 比べやすい、シンプルな食べ物を選びましょう。
開けたボトルはどうすればよいですか?
しっかり栓をして、光を避け、立てた状態で冷蔵してください。生酒は開栓前も含め、案内に従って冷蔵しましょう。鮮度はボトルや保存状態によって異なります。すべての日本酒に同じ期限を当てはめず、造り手の案内に従ってください。
WhatSakeの元のテイスティング記事をもとに調整・拡充しました。保存についての参考:JSS:日本酒の保管と保存。
実用的な疑問
日本酒の試飲と提供についての質問
日本酒専用の酒器は必要ですか?
いいえ。まずは清潔なワイングラスや、クセのない陶器の杯で十分です。飲み比べには同じグラスが役立ちます。興味が湧いたら、あとで別の酒器も試してみましょう。
ワインのようにグラスの中で日本酒を回したほうがよいですか?
発泡していない日本酒なら、ワイングラスをやさしく回してもかまいませんが、必須ではありません。まず香りをかぎ、少し口に含んでから、その後に感じる香りにも目を向けましょう。
香りを何も言い当てられない場合はどうすればよいですか?
「ほのか」「フルーティー」「穀物のよう」といった大まかな言葉でかまいません。少し冷たさが和らいだら、同じ少量をもう一度味わってみましょう。ほかの人のコメントに書かれた香りを、正確に見つける必要はありません。
燗酒は品質が低いのですか?
いいえ。温度は体験を変えるもので、品質を順位づけるものではありません。一本の日本酒が、温めても冷やしても楽しめることがあります。造り手の助言と自分の好みを参考にしましょう。
同じ日本酒でも、グラスを変えると味が違うのはなぜですか?
器の形、素材、飲み口によって、お酒の感じ方が変わります。比べている間に温度が変わることもあります。まずはそろいのグラスを使い、器を変える実験は別に行いましょう。
さらに読む:JSS:杯と酒器 · JSS:燗酒を楽しむ
